第165回国会 本会議 第15号
平成十八年十一月二十九日(水曜日)
   午前十時一分開議
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議事日程
○本日の会議に付した案件
  一、道州制特別区域における広域行政の推進に
  関する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
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○議長(扇千景君) この際、日程に追加して、
 道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。佐田国務大臣。
   〔国務大臣佐田玄一郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐田玄一郎君) ただいま議題となりました道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 市町村の合併の進展による市町村の区域の広域化、経済社会生活圏の広域化、少子高齢化等の経済社会情勢の変化に伴い、北海道地方又は自然、経済、社会、文化等において密接な関係が相当程度認められる地域を一体とした地方における広域にわたる施策に関する行政、すなわち広域行政を推進することが重要となっております。
 広域行政を推進する上では、現行の都道府県制度を前提としつつも、このような地域的要件を満たす特定広域団体が、国との適切な役割分担及び密接な連携の下に自主的かつ自立的な取組を行い、国はこのような取組を総合的かつ効果的に推進する必要があります。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、将来の道州制導入の検討に資するため、特定広域団体の区域を道州制特別区域として設定し、当該区域において広域行政を推進することにより、地方分権の推進や行政の効率化、北海道地方その他の各地方の自立的発展に寄与しようとするものであります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、政府は、広域行政の推進に関する基本的な方針である道州制特別区域基本方針を閣議決定により定めるものとしております。
 第二に、広域行政を実施する特定広域団体が、内閣総理大臣に対し、道州制特別区域基本方針の変更についての提案をすることができることとしております。
 第三に、特定広域団体による道州制特別区域計画の作成、道州制特別区域計画に基づく法令の特例措置や工事又は事業に充てられる交付金の交付等の特別の措置を講ずることとしております。
 第四に、広域行政の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、内閣に、内閣総理大臣を本部長とする道州制特別区域推進本部を設置することとしております。
 第五に、平成二十七年度において広域行政の推進に関する制度について検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願いを申し上げる次第であります。(拍手)
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○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。小川勝也君。
   〔小川勝也君登壇、拍手〕
○小川勝也君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま提案のありましたいわゆる道州制特区法案に対し、幾つかの質問をいたします。
 道州制といえば地方分権の究極の形、権限と財源が移譲され、地域の特色を生かしながら地域のことが地域で決めることができ、税金の無駄遣いも起きない。道州制という言葉にはそんなバラ色に似た地方分権の究極の形、そんなイメージさえあります。私たち民主党でも、結党以来、道州制について議論を積み上げ、その方向性を二〇〇〇年の衆議院選挙のマニフェストにも明記いたしました。
 しかし、このたび審議することになった政府提案の法律は、内容、いきさつ、目的、意欲、いずれを取っても道州制の名に値しない悪法と言わざるを得ません。そもそも、我が国の法律のどこを探しても出てこない道州制に特別区域の概念を持たせることは立法論的にもかなり問題があるばかりか、国民の立法府に対する信頼を低下させる大きな原因になるおそれさえあります。
 まず、お伺いいたします。この法律における道州制及び道州制特別区域とは何か教えてください。
 私は、道州制という崇高な理念を、特区法案の審議のために適当な文言をつくり答弁されることに大きな憤りさえ感じます。また、この法律が成立すれば、将来、真の道州制を導入するときの大きな妨げになることも大きな懸念材料です。
 そもそもこの法律は、見栄えを重んじ中身を問わない時の権力者の一声からスタートしたと言われています。それを聞いた北海道知事も寝耳に水。時あたかも北海道では、全国一律の市町村合併の問題のほかに、独自の支庁再編問題で全く余裕のない時期でありました。渋る北海道庁に対し、与党の実力者が様々な働き掛けをしながら議論が推移してまいりました。道庁にとっても財政が厳しい中ですから、権限はもちろん、少しでも自主的に使える財源が欲しいので前向きの話になってまいりました。
 しかし、北海道庁が与えられた権限は期待とは裏腹にほんの少しで、そのうちに増やすからという約束手形を後生大事に抱えてのスタートというのが現状だろうと拝察するものであります。
 法案作成段階で北海道からどんな要望があったのか、また、権限を移譲することに対する各省庁の大きな抵抗があったことが漏れ伝わってまいりましたが、どんな御苦労があったか、教えていただきたい。
 この法律案は、先ほど述べたように、北海道庁の行政エリアと多くの国の支分部局の統括エリアが同一であることに着目した、時の権力者の気まぐれなツルの一声、思い付きで始まった議論で、当初準備されていたのは当然北海道の特区法案でした。ところが、ふたを開けてみると、出てきたのは現在の三以上の都府県を含めた法律案。このことは憲法第九十五条をクリアするためだったと拝察できます。
 憲法九十五条は、一つの地方公共団体にのみ適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民投票においてその過半数の同意を得なければ、国会はこれを制定することができないと定めております。
 当初議論されていた案から本法律案に替わったいきさつを、憲法第九十五条の問題をクリアするという観点から御答弁を願います。
 また、本法律案に替わっても、その実態から住民投票を必要とするという専門家の意見も多数ありますが、どう弁明されるおつもりでしょうか、伺います。
 さて、小泉政権以降、すべてを経済効率で測る風潮がはびこっているようでありますが、本法案は行政及び地方自治の在り方に一石を投じています。国、都道府県、市町村、どんな行政スタイルが最も税金の無駄遣いがなく、より良いサービスを提供できるかを議論することは重要です。
 まず、総務大臣にお答えをいただきますが、平成の合併の総括についてです。三千三百余りあった市町村が千八百余りになりました。サービスの質等は後の議論を待たなければなりませんが、財政的縮減効果について可能な範囲で御答弁願います。
 当然、次は都道府県の合併かということになりますが、この法律の趣旨にそれを推進するという意味が含まれるのかどうか、その実現性を踏まえて御答弁をいただきます。また、総務大臣からは、その経費縮減効果の予測についてもお答えをいただきたいと思います。
 もし仮に都府県の合併をも促進させようということになると、権限、財源を中央から地方に移譲しようとする立法趣旨を更なる地方行革にすり替える、正に頭脳明晰な霞が関官僚による換骨奪胎になってしまうでしょう。
 この法律への国民的関心は余り高くないと認識しています。ましてや、都府県合併にインセンティブを与えようとするならば、ほかの知事の方々にとって、北海道がうらやましくてしようがないという内容にしなければならなかったはずです。
 しかしながら、唯一の直接利害関係者である北海道民の理解さえも残念ながら大変低い。民主党北海道は、今年五月に市町村長を対象にアンケート調査を実施いたしました。道内百八十自治体のうち百三十九市町村長からお答えをいただきましたが、実は内容を余り理解していないと思われる答えが大変多いという結果が出ました。北海道庁もいろんな何とかミーティングのようなもので理解を求めようとした形跡はあるのですが、自治体の市長、町村長さんでさえ余り理解していないのに、一般道民にとってはなおさら理解できないのでしょう。
 肝心の北海道民が法案への理解度に対していかなる認識を持っておられるのでしょうか。私が意見を聞いた範囲では、分かりにくい、どう変わるのかが分からない、権限は今のままでいいから使う金の額が大事だなど、反応は様々です。
 また、多くの人の危惧は、この法律案が北海道だけを対象とした行革ではないかという懸念です。実のところはどうなのか、本音をお伺いしたいと思います。
 今、道民の多くが関心を持っている課題は財政破綻に陥った夕張問題です。様々な理由があるにせよ、国の制度があそこまで夕張市民の生活を苦しめるのかという思いが強いということでもあります。北海道の財政状況も、なおかつ道内のほとんどの自治体財政も大変厳しい状況にあるからです。自治体関係者からも、夕張問題は夕張市だけの問題ではない、このままの制度と交付税削減が続くと、あとは時期と順番の問題だといううめき声さえ出るほどです。
 数日前の北海道新聞のコラムにこんな記述もありました。北海道拓殖銀行が都市銀行で初めて破綻したとき、救済策の枠組みはなかった。道内経済は大変な影響を受けた。金融システムに動揺が広がると、大手行に公的資金が注入され不良債権が処理された。今銀行は最高の利益を出す。あのとき政府は無策で、北海道は実験台となった。今も夕張は崩壊しても構わないと言わんばかりだ。地域を切り捨て住民をふるさとから追い立てるのでは、政治とは虚無にすぎないと。
 今、夕張は国からの指導を受け、再建計画を作り住民に説明をしている最中です。七校、四校あった小中学校をそれぞれ一校とする、保育料の大幅アップ、図書館と美術館の休止、養護老人ホームの廃止、市立病院の新規入院なしなどの内容が盛り込まれ、住み続けることが困難な再建策となっています。かなり厳しい内容ですが、北海道新聞社のコラムニストが筆を持った理由は、菅総務大臣の、厳しいことも必要と述べた一言に対してでした。
 夕張が国の指導どおり財政を再建しても、人口が現在の半分以下、最盛期の五%以下になります。かつて夕張は、国策にのっとって黒いダイヤと呼ばれた石炭を産出して戦後の日本経済を支え、石油へのエネルギー政策の転換によって衰退を余儀なくされた町です。人口は最盛期の十分の一。今また、今回の再建策で夕張を出ていかなければならない人の中には、かつて国策で仕事を奪われた人とその家族が含まれていることは言うまでもありません。
 どの自治体に住んでいるかということで生活に大きな差が出ることを憲法や地方自治法が想定しているでしょうか。いつから私たちの国日本は国民にそんなに冷たい仕打ちができる国になったのですか。お答えをいただきたい。是非、総務大臣、夕張市に行って直接市民の話を聞いてください。可能な措置を考えてください。北海道における道州制特別区域は実験台なのでしょうか。
 かつて自民党政治の重要な理念に、国土の均衡ある発展という一言がありました。過度の利益誘導合戦が行われ、予算、補助金の獲得や公共事業そのものが正に政治そのものになってしまったなどは反省点です。しかし、ふるさとを田舎に持つ私にとっては好きな言葉でした。
 国が景気対策、公共投資と称し、地方を唆し、過度の社会資本整備をさせ、その結果、地方財政は逼迫しました。バブル崩壊後、社会資本整備のスピードはかなりダウンしました。北海道は、青函トンネルができていてもいまだに本州と自動車が行き来できないばかりか、新幹線も通っていなく、高速道路網も細切れです。その間、施策は経済効率優先となり、東京一極再集中が進んでいます。そのことによって、地方分権や道州制が意図する地方の産業の育成や特色ある地域づくりなどの将来像が見えにくくなっています。
 地方の自立、競争、責任という考え方は正しい方向ですが、そのための前提条件の整備、猶予期間や準備期間が必要です。また、地方分権を進めるならば、税財源の配分、財政調整機能の充実が必要なのは言うまでもありません。安倍政権のビジョンを示してください。
 北海道は財政問題のほかに、医師、看護師不足、そのほかの要因、あるいは政府の故意によって地域医療が深刻な状況に陥っている地域が幾つかあります。医療にアクセスする国民の権利について、厚生労働大臣の答弁を求めたいと思います。
 また、国の補助金等の施策の中に、負担率が都道府県何%、市町村何%というメニューが多々あります。北海道では、国が用意したメニューを見て、負担額が捻出できずにため息をついています。市町村に責任はありません。農業の新政策、災害復旧などについても同様であります。
 三位一体の改革で日干し状態の北海道は、一都道府県として道民に役割を果たし得ない状況の中でこのまま権限と責任を北海道が持つことになれば、市町村の窮状も北海道の責任で国は関係ないという流れが見えるような気がいたします。私の杞憂であると有り難いのですが、総務大臣からの答弁をお願い申し上げます。
 正に格差社会。個人も地域も、そして住んでいる自治体間においても。
 もう一つ、私たちの国にとって大きな課題は少子化です。二〇〇七年問題、すなわち団塊世代の大量退職期を目前に控えた今、国際的な立場で日本の経済力を維持しようとすれば、労働力を経済効率の良い地域に集中させなければなりません。東京から愛知県にかけてを黄金のベルト地帯と呼ぶ人もあるようですが、それ以外の地域は、今ある統計以上に高齢化が進むことになります。
 北海道も代表的な若者流出県ですが、当然、北海道からだけではありません。競争力のある産業の有無でその程度は変わってきますが、さらに、政府の農業政策で農業人口が激減することが目に見えています。今、正に超高齢社会に向かっていく地方をどうするかが大きな課題です。高齢化率五〇%になると、限界集落といって地域コミュニティーが維持できないと言われています。また、介護保険関連の様々な施策もマンパワー不足に陥ってきます。フィリピンから看護師さんに来てもらうくらいでは到底賄えないわけであります。
 これから進行する超高齢社会における地域医療、介護福祉政策についての柳澤厚生労働大臣の見解を伺います。こういう視点からの国づくり、地方の在り方について担当大臣にお伺いをいたします。
 また、総務大臣からは、新型交付税のこの点についての考慮を含め、御答弁をいただきたいと思います。
 議場内のすべての皆さんが気付いているとおり、地域間の格差が広がっています。そして、そのとおりの人口移動が進んでいます。農村から地方都市、県庁所在地へ、そして大都会へ。そして、衆議院の選挙区は人口割りです。すなわち、都市選挙区の割合が圧倒的に高いのです。目先の利益を追求するのではない、長期的な視点に立った国土政策、地方政策、農林漁業政策こそ参議院の役割だと考えます。
 日本は、言われているとおり、明治以来の官僚制が色濃く残った官僚制中央集権国家でございました。今、財政危機を理由にそのツケを地方自治体に押し付けています。国民的人気を誇った前総理でさえ、官僚の既得権益の壁を打ち破ることができませんでした。乾いたぞうきんを絞るように行革と節約を繰り返した町長の言葉が耳から離れません。国の役所にもやってほしいという言葉です。正にそのとおりです。特殊法人、公益法人、外郭団体、天下り、そして特別会計など。
 大臣、無理を承知で申し上げますが、国でなければどうしてもできない仕事をピックアップして精査していく、だれが考えても分かりそうなことをどうしてやらないんですか。
 変なきっかけから二転三転して取り繕っても、いい法律はできません。ましてや、今回の分権の名に値しない権限移譲は後世に禍根を残す、また、抵抗官僚の思うつぼになるおそれはないですか。
○議長(扇千景君) 小川君、時間が超過しております。簡単に願います。
○小川勝也君(続) 私は、この法律が地方分権の第一歩とは到底認められません。小泉政権から受け継いだ、地方切捨て、地域切捨て、格差社会進行内閣に真の地方分権ができるわけはないのです。
○議長(扇千景君) 簡単に願います。
○小川勝也君(続) 分権型国家の建設及び真の道州制導入は民主党政権にお任せください。立法趣旨的にもあいまいであり、地方自治に対する権限・財源移譲も不十分、不明確な……
○議長(扇千景君) 小川君、超過しております。
○小川勝也君(続) ましてや、地域住民の誤解と不安を与えるこの法律案を参議院が成立させるべきではないことを再度訴えて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣佐田玄一郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐田玄一郎君) 小川先生にお答えさせていただきます。
 本法案における道州制と道州制特別区域の定義についてのお尋ねがありました。
 道州制については、第二十八次地方制度調査会の答申では、国と基礎自治体の間に位置する広域自治体の在り方を見直すことによって、国と地方の双方の政府を再構築しようとするものでありまして、現在の都道府県に代えて道又は州を置くものであるとされております。
 これに対し、本法案における道州制特別区域は、現行の都道府県制度を前提としつつ、将来の道州制導入の検討に資するため、北海道地方等の区域を国の権限移譲等の特別措置を講ずる区域として設定するものであります。
 本法案作成段階における北海道からの要望、権限移譲に対する各省庁の抵抗についてのお尋ねがございました。
 道州制特区については、平成十五年十二月に経済財政諮問会議において北海道高橋知事から道州制を展望した北海道からの提案を説明いただき、さらに、平成十六年には具体的な提案があったことを踏まえ、北海道からの提案に基づいて政府として検討を進めてきたものであります。本年二月以降は、政府部内等における関係省庁との必要な調整を行った上で、さきの通常国会において法案を提出したところでございます。
 憲法第九十五条問題をクリアするために法律を変更したのではないかとのお尋ねがありました。
 本法案は、現行の地方自治法上、本法案に規定する特定広域団体の要件に該当するような都道府県が今後出てくることもあり得ること、また、北海道以外の都府県がその要件に該当する場合に対象外とする合理的な理由はないことから、一般的に適用される法律として構成したものであり、憲法第九十五条の適用を避けるためではありません。
 本法案でも憲法第九十五条の住民投票が必要ではないかとのお尋ねがありました。
 憲法第九十五条に基づく住民投票の要否は最終的には国会が判断するものでありますけれども、政府としては、本法案は特定の地方公共団体のみに適用されるものではなく、一般的に適用されるものであり、憲法第九十五条に規定する一の地方公共団体のみに適用される特別法には該当せず、住民投票は不要であると考えておるところであります。
 本法案の趣旨に都道府県合併の推進が含まれるのかとのお尋ねがありました。
 本法案は、将来の道州制導入の検討に資するため、北海道地方等の区域において広域行政の推進を図ることを目的とするものであります。これまでも全国知事会から緊急アピールが出されるなど、北海道以外の地域でも本法案や道州制に対する関心は高いものと考えており、今後、都府県レベルでの合併が出てくることを期待しておる次第であります。
 北海道民の本法案への理解度についてお尋ねがありました。
 北海道においては、道庁等が平成十六、十七、十八年度に道内全市町村や道民等との道州制特区に関する意見交換会を延べ四百回以上開催するとともに、道議会においても活発な議論が行われたと聞いております。こうした議論を踏まえつつも北海道から提案等がなされ、これを基に政府として検討し、本法案を提出するに至ったものであり、道民にも一定の理解が進んできているものと考えておる次第であります。
 本法案は北海道だけを対象とした行革ではないかとのお尋ねがありました。
 本法案は、北海道だけに限定されない特定広域団体から提案を受けて、国から特定広域団体への権限移譲などの特別の措置を講ずるものであり、将来の道州制導入に対する国民的な議論の深まりやその検討に資するものであります。
 なお、行政改革という観点からは、今後この法律による事務事業の移譲が進む結果として、国の地方支分部局のスリム化といった行政の効率化につながることがあるものと理解をしております。
 北海道における道州制特別区域は実験台なのかとのお尋ねがありました。
 北海道地方は、国土の約五分の一を占める広域の地域であること、そしてまた自然、経済、社会、文化等の独自の地方を形成していること、またその区域が国のブロック機関の管轄区域とおおむね一致しており、広域の見地から既に一定の施策を行っていること等の理由により、将来の道州制導入の検討に資するため、広域行政の推進を図る観点から、国から事務事業の移譲を進める区域としてふさわしいものと考えておる次第であります。
 なお、法案の対象は北海道に限定されておらず、北海道以外の都府県が一定の要件に該当する場合には同様に対象になるものであります。
 超高齢社会における地方の在り方についてのお尋ねがありました。
 地方においては、人口減少や高齢化などのため集落の維持が困難になりつつある地域が生じており、地域の活力を維持していく上で大きな課題であると認識しております。地域活性化のためには、各地域それぞれの知恵と工夫を生かした取組を政府一体となって後押ししていくことが何よりも重要と考えており、このために、関係閣僚会議において、地域活性化策に関する政府の取組が取りまとめられたところであります。
 今後とも、地域住民が安心して生活できるよう、関係省庁の連携を取りながら必要な施策を講じていく考えであります。
 国の行政改革についてのお尋ねがありました。
 簡素で効率的な政府の実現を目指すため、行政改革の重点分野の行革の基本方針と関連諸制度の改革との連携等を定めた行政改革推進法がさきの通常国会において成立したところでございます。これに沿って、事務及び事業の精査を踏まえ、総人件費の改革や政府関係法人の改革、公益法人制度の改革、退職管理の適正化を含めた公務員制度改革などに取り組んでまいります。このような取組により、中央省庁においても大胆な改革を進めているところでございます。
 本法案には、権限移譲は後世に禍根を残すのではないか、抵抗官僚の思うつぼになるおそれがあるのではないかとの御意見がございました。
 本法案では、特定広域団体が、国からの権限の移譲等について基本方針の変更という形で内閣総理大臣に提案することができることとしております。この基本方針の変更提案については、内閣総理大臣を本部長とし、すべての国務大臣を本部員とする道州制特別区域推進本部において総理のリーダーシップの下、検討することとしており、地方分権の推進等の観点から、北海道からの提案の趣旨を十分に尊重して検討を行い、道州制に向けた先行的な取組となるよう進めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
○国務大臣(菅義偉君) お答えをいたします。
 初めに、平成の合併の財政的縮減効果についてのお尋ねがありました。
 市町村の三役及び議会の議員が約二万一千名減少することにより、当面、年間約千二百億円の効率化が図られる見込みであります。また、おおむね合併後十年を経過する二〇一六年度以降におきましては、人件費の削減等により年間約一・八兆円の効率化が図られるものと推計をしているところであります。
 次に、都道府県合併による経費削減効果についてのお尋ねがありました。
 都道府県合併による経費削減効果については具体的な数値をお示しすることはできませんが、都道府県合併が行われる場合には、一般的に、既存の組織の統合などにより相当の行政経費の削減が図られるものと考えております。
 次に、夕張市の財政再建に関して三点のお尋ねがありました。
 財政再建に当たっては、地方公共団体は、法令に定められた事務など、住民に対する基礎的な行政サービスの提供を続けていくことが前提になっております。夕張市におきましても、このことは前提としつつ、市が抱える多額の赤字を解消するために、行政サービスを最も効率的に提供する市町村の取組を参考にするなど、歳出削減、歳入確保の両面から徹底した行政運営の見直しを検討していると理解をいたしております。
 今後、夕張市が財政再建計画の具体的な検討を進めていくことになりますが、北海道を通じ、よく内容を伺い、早期かつ確実な財政再建の道筋が示されるよう、総務省としても適切に対応をしてまいります。
 次に、地方の税財源等に関するビジョンについてお尋ねがありました。
 今国会で成立を目指しています地方分権改革推進法案の中で、国と地方の税源配分の見直しなど地方税財源を充実する方向で検討を進めていくことといたしております。
 また、御指摘のように、地方の努力だけで活性化が難しい地域が存在することも十分承知をしております。こうした地域に対しては、財政の格差を調整し、一定水準の行政サービスを確保できるよう必要な交付税を確保してまいります。
 次に、本法案が国の責任を回避する布石ではないかというお尋ねがございました。
 近年、厳しい財政状況を踏まえ、公共事業を中心に徹底した歳出抑制に努めてまいりましたが、北海道は地域経済の公共事業への依存度が高いこともあり、特に厳しい対応が迫られたものと考えております。
 本法案は、地方分権を推進をし、地方の自立的発展に寄与することを目的としており、御懸念のような国の責任回避の布石といったものではありません。今後も、北海道を含め、全国どのような地域であっても一定水準の行政サービスを確保できるよう、交付税の一般財源総額を確保してまいります。
 最後に、新型交付税についてお尋ねがありました。
 新型交付税は、国の基準付けがない、あるいは弱い行政分野に導入することといたしております。このため、地域医療や介護保険など、法令により地方に一定の基準付けをしている事務事業の財政需要については、現行の交付税の算定を通じて的確に財源保障することとしており、地方公共団体の財政運営に支障が生じることがないように対処してまいります。(拍手)
   〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(柳澤伯夫君) 小川勝也議員の質疑に対してお答えを申し上げます。
 地域の医療におけるアクセスについてまずお尋ねがございました。
 国民がそれぞれの地域において必要な医療を受けられるということは、極めて重要なことであると認識をいたしております。このため、国におきましては、累次にわたってへき地保健医療対策を定めまして、へき地診療所の整備など、へき地における必要な医療の確保に取り組んでいるところであります。また、本年八月、新医師確保総合対策を取りまとめまして、都道府県の地域医療対策協議会の活用などによりまして必要な施策を展開しよう、推進しようとしているところであります。
 次に、超高齢社会における地域医療、介護施策についてお尋ねがありました。
 地域の実情に応じて、病気の急性期から回復期を経て在宅に至るまで一貫した医療を受けられる体制が重要だと考えております。このため、医療機関の役割を機能に応じて明確化し、その間の医療連携体制を構築していくことを考えておるところです。
 また、介護につきましても、住み慣れた地域で高齢者の方々を支えられるよう、地域包括支援センターを中心といたしまして、ボランティアなどの様々な社会資源の活用を図る地域ケア体制の整備を進めてまいりたいと考えております。
 以上であります。(拍手)
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。