インタビュー(民主党さっぽろ 雇用政策) 2000.4.27,5.4
経済と雇用環境に安心を 構造改革政策の断行を
公共事業信仰脱却を
- ◆―現在の雇用環境と政府の果たす役割についてどのように考えていますか。
- 政府などは「日本経済は緩やかな回復基調にある」としていますが本当にそうでしょうか。確かに一部大企業では合理化やリストラで減収増益を生み出しているところもあります。しかし、その陰では勤労者の生活と雇用が置き去りにされています。
景気の最大の牽引車である個人消費が落ち込んでいる事は、国民が日々の生活にさえ不安を覚えているからに他なりません。特に北海道の雇用情勢は2000年12月の有効求人倍率が0.45倍で、2000年10月から12月期の完全失業率が5.2%と依然厳しい状態にあります。
雇用不安の解消は、経済はもとより社会の安定にとって基盤となるものです。不良債権を先送りにしたまま、国債の乱発により旧態依然の「公共事業信仰」を進める自民党の政策はわが国経済の傷口を広げるだけでなく、国際的にもその信用力の失墜を招いています。何よりも構造改革政策の断行と雇用安定が求められており、将来に対して安心感を持てる経済と雇用環境を作るべきです。
また北海道では全企業の内、中小企業が99%を占めることから、中小企業とそこで働く人々への根本的な対策が必要です。
職の分かち合いを
この他、ワークシェアリング(仕事の分かち合い)により、ゆとりある労働環境と雇用機会の均等化や、わが国における「職文化」の醸成により、一人ひとりが生きがいを持てる雇用間口の拡大も進めるべきではないでしょうか。
労働者使い捨て防ぐ
- ◆―労使紛争が多発しています。
- 規制緩和が進む一方で、それを口実に労働者の権利と生活が脅かされている状況が道内でも続いています。地方労働委員会のみならず、各地区の連合が取り扱ってきた労働紛争解決の知識と経験を生かし広める仕組みや取組みが求められていると思います。雇用対策法の改正作業を行い、事業主による安易な解雇を抑制し、離職者の再就職支援を強化します。
- ◆―パート労働者については。
- 総務庁の統計によるとパート労働者はすでに1千万人を超え、全雇用者の中に占める短時間雇用者の割合は21.2%に達します。このようにパート労働者が増えている原因に企業側が正社員を削減し、パート労働者で代替している似非(えせ)ワークシェアリングが起きていることが挙げられます。
経営者がパート労働者を雇用する最大の理由は、正規雇用者より人件費が割安だからです。雇用形態により基本的労働条件が大きく異なることのないよう、企業を指導することがきわめて重要です。
また派遣社員の急増など、アウトソーシング(業務の外部委託)は産業構造の転換にあわせた「雇用の流動化」という観点から一概には否定できませんが、企業の一方的な都合で労働者が使い捨てにされる状況を防ぐ仕組みも必要です。
連合でも取組みを強めているパート労働者の組織化はこうした観点からも意義あることと思います。
再就職支援強化へ
- ◆―セーフティネットについてどのようにお考えですか。
- 産業構造の転換にあわせ、雇用をスムーズに流動化させることは大変難しいことですが重要な課題です。どのような社会をつくるのか、わが国の経済や社会保障の仕組みを根本から作り直す必要があると思います。
民主党は労働者保護法制を整備し、セーフティーネットの確立を進めます。失業者に対して今の社会保障制度は不十分です。失業者が安心して再雇用に向けて準備できるよう社会保障制度をもっと充実させるべきです。
また再就職支援の面では雇用対策法の改正作業が必要です。一般的に企業側の方が労働者に比べて新しい事態に対しての対応がより容易です。そのため労働者の新しい技能の修得などに対して企業側が十分な援助を行なうことを義務付ける必要があります。
地方主導の雇用創出
- ◆―新雇用分野の創出が必要だと思いますが。
- 地域のニーズにあった事業はその地域でしかわかりません。霞ヶ関で考えるのではなく、地方分権によって新たな雇用を創出することが必要です。
それと同時に、それぞれの地域が国内だけなく、広く国際社会の中で何を目指すのか戦略を立てなければなりません。具体的にはこれからは障害者や高齢者の社会進出によって、バリアフリー、ユニバーサルデザインの拡充がさらに求められます。
私たち民主党は公共事業の見直しを公約に掲げています。これは今までの公民館やダムなど「ゼネコンのためにハコモノを作ればいい」というバラ撒き型から、本当に国民に必要な福祉、環境、IT関連施設に質的変化を図ろうといものです。また介護の社会化を一段と進めることによって福祉分野での労働市場をひろげることや「緑のダム構想」における森林再生、デカップリング(農業などにおける直接的所得補償)政策などで、雇用の創出をめざします。
もちろんIT関連政策や環境リサイクル促進などによる新たな雇用分野の創造を誘導することも必要です。